松下 尚明

個人概要

住所:鹿児島県指宿市山川町

活動内容

○活動の経緯
 広島大学で教育学、名古屋大学で研究生として哲学を専攻したが、当時は大学紛争の最中でほとんど勉強をしなかった。そのため、自主ゼミで「どのような人とも語り合える資質、横断的人間関係の構築、実践的コミュニティづくり」などを学んだが、精神的に困憊し,1971年に帰郷した。
 数年間は無職の状態だったが、大工をしている中学校の同級生や県身体障碍者福祉協会の会長との出会いを契機に覚醒し、1973年に大山郷土研究会を立ち上げて地域文化の保存や伝統行事の復活などを手掛けた。この実践活動が評価され、1976年に旧山川町役場の社会教育主事として働き始めた。
 指宿市(旧山川町含む)職員として31年間、郷土史編さん、図書館建設、生涯学習の推進などに携わり、行政の立場から地域文化と地域づくりを推進した。
 2007年に退職した後も、これらの経験を基に、大山地区に飛び込み、区長や大成校区公民館長などを務めながら住民と直接対話を重ね、「文化とは、地域おこしとは何か」「地域史は何のためにあるのか」「地域で主体的に生きるとはどういうことか」を追い求めた。現在も、地域情報を発信したり日常の悩み相談に耳を傾けたり、住民と共に考えながら「生涯学習論、地域歴史論、町おこし論」を踏まえた「南薩摩の表現論」の実践者として活動を続けている。
 この大山地区での経験を踏まえ、県内各地へ活動を広げ、講演・助言活動や人材育成にも精力的に取り組んできている。

○主な活動内容
1. 地域文化の掘り起こしと発信活動
①指宿市史編さん委員や指宿検定特別委員として歴史を体系化する活動を行っている。
②2015年にNPO法人南薩のまなざしを設立し理事長を務め、現在も顧問として活動している。
③指宿市生涯学習「歴史講座」の講師を24年間継続し、市民と共に歴史を考える場を提供している。
④活動を通じて得た経験・知見をまとめた出版著書は16冊に及び、地域史とまちづくりの思想を広く発信している。

2. 大山地区を拠点とした地域づくり活動
①大山区長や大成校区公民館長、コミュニティ推進会議事務局長などを歴任し、住民との対話を軸にした活動を行っている。
②文化財保存や伝統行事の復活、住民主体の自治を実践し、地域再生のモデルを構築している。
③大山郷土研究会会長として50年にわたり地域文化を牽引している。

3. 教育と人材育成活動
①鹿児島国際大学や鹿児島医療技術専門学校などで21年間にわたり、論理学・教育原理・社会教育計画論など計7科目を担当し、現在も奄美看護福祉専門学校で講義を行っている。
②県内各地で講演や助言活動を行い、次世代リーダー育成に努めている。
 こうした活動が高く評価され、2025年6月に公益財団法人「あしたの日本を創る協会」会長賞を受賞し、地域文化・地域づくりに長年尽力してきた実績が全国的に認められた。

○今後の抱負や活動など
 現在も奄美看護福祉専門学校で講義を続けながら、「南薩摩の表現論」をテーマに著作したり、地域史研究を深化させたりしている。また、住民が歴史を共有し、主体的に未来を描くことを支援する活動を続けている。
「行政の立場で地域文化を推進した日々」から「地域に飛び込み住民とともに歩む実践」へ移行した経験を糧に、今後も引き続き地域づくりに挑み続けていきたい。

大山区長としてニセ(数え歳の15歳)入り式での講話

指宿市大成校区公民館生涯学習講座

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